2026年5月第2週のApp Storeセールスランキングでは、『ONE PIECE トレジャークルーズ』『ドラゴンボールZ ドッカンバトル』『モンスターストライク』など、IP・記念日・声優文化を活用した施策が存在感を見せた。また、『ブロスタ』『ONE PIECE バウンティラッシュ』では、Xの「記事」機能を活用した“SNS内完結型”の情報発信も確認されている。
先週は「ゲーム外接点を活用して、どのように熱量を形成するか」が中心テーマだった。一方、今週はそこからさらに進み、「形成した熱量を、どのように冷まさず維持していくのか」という点が、より重要になってきているように見える。
本記事では、各タイトルの公式発表・ゲーム内施策・SNS施策をもとに、「IP熱量への接続」「接触頻度維持」「離脱を抑える導線設計」など、現在のスマホゲーム運営で強まりつつある“熱量維持型”の運営構造について整理していく。
今週のセルラン 3行まとめ
・『トレクル』『ドッカン』『モンスト』ではアニメ放送・記念日・声優文化など“ゲーム外熱量”を活用
・『ブロスタ』『バウンティ』では、Xの「記事」機能を活用した“SNS内完結型”告知を採用
・“ゲーム外熱量を取り込む”段階に加え、“熱量を維持し続ける導線設計”も重視され始めている
今週のランキング TOP50
※データ元:App Store セールスランキング
※集計期間:2026年5月5日(火)〜5月11日(月)
※前日売上を反映しており実質、5月4日(月)〜5月10日(日)
| Rank | 前週比 | Title | Publisher |
|---|---|---|---|
| 1 | ±0 | eFootball™ | KONAMI |
| 2 | +6 | ホワイトアウト・サバイバル | Century Games Pte. Ltd. |
| 3 | +10 | ラストウォー:サバイバル | FUNFLY PTE. LTD. |
| 4 | +3 | パズル&ドラゴンズ | GungHo Online Entertainment, Inc. |
| 5 | -1 | ドラゴンクエストスマッシュグロウ ドラクエローグライトRPG | SQUARE ENIX |
| 6 | +9 | ブロスタ | Supercell |
| 7 | +2 | にゃんこ大戦争 | ponos corporation |
| 8 | -5 | Pokémon TCG Pocket | The Pokemon Company |
| 9 | -3 | モンスターストライク | XFLAG, Inc. |
| 10 | ±0 | 勝利の女神:NIKKE | Level Infinite |
| 11 | +7 | ゴシップハーバー:マージ & ストーリー | Microfun Limited |
| 12 | -1 | 荒野行動-スマホ版バトロワ | NetEase Games |
| 13 | +8 | ロイヤルマッチ(Royal Match) | Dream Games |
| 14 | +10 | トゥーンブラスト | Peak Games |
| 15 | -1 | Fate/Grand Order | Aniplex Inc. |
| 16 | -14 | #コンパス【戦闘摂理解析システム】 | NHN PlayArt 株式会社 |
| 17 | -12 | プロ野球スピリッツA | KONAMI |
| 18 | +4 | ウマ娘 プリティーダービー | Cygames, Inc. |
| 19 | +12 | ONE PIECE バウンティラッシュ – アクションゲーム | Bandai Namco Entertainment Inc. |
| 20 | -4 | 雀魂 -じゃんたま- | Yostar, Inc. |
| 21 | +2 | キングショット | Century Games Pte. Ltd. |
| 22 | +6 | Pokémon GO | Niantic, Inc. |
| 23 | +3 | パズル&サバイバル | BUILDING-BLOCKS NETWORK TECHNOLOGY CO.,LIMITED |
| 24 | +11 | 学園アイドルマスター | Bandai Namco Entertainment Inc. |
| 25 | -13 | LINE:ディズニー ツムツム | LINE Corporation |
| 26 | +3 | Disney Solitaire ディズニー ソリティア | SuperPlay |
| 27 | -10 | 崩壊:スターレイル | COGNOSPHERE PTE. LTD. |
| 28 | +5 | ガーデンスケイプ (Gardenscapes) | Playrix |
| 29 | -2 | NTE: Neverness to Everness | N2E ENTERTAINMENT PTE. LTD. |
| 30 | +2 | LINE ポコポコ:3マッチパズルゲーム | LINE Corporation |
| 31 | -6 | あんさんぶるスターズ!!Music | Happy Elements K.K |
| 32 | +11 | グルメ・ジャーニー | Century Games Pte. Ltd. |
| 33 | +7 | メメントモリ | Bank of Innovation, Inc |
| 34 | +3 | ラストZ:サバイバルシューティング | Omnilojo Pte Ltd |
| 35 | +1 | 鳴潮 – 2周年 | KURO GAMES |
| 36 | -6 | ドラゴンクエストウォーク 歩く楽しみが増える位置情報ゲーム | SQUARE ENIX |
| 37 | +7 | タウンシップ (Township) | Playrix |
| 38 | ±0 | ドラゴンボールZ ドッカンバトル | Bandai Namco Entertainment Inc. |
| 39 | -20 | SDガンダム ジージェネレーション エターナル | Bandai Namco Entertainment Inc. |
| 40 | +7 | ホームスケイプ (Homescapes) | Playrix |
| 41 | +4 | 妖怪ウォッチ ぷにぷに | Level-5 Inc. |
| 42 | -22 | Shadowverse: Worlds Beyond | Cygames, Inc. |
| 43 | +8 | 七つの大罪 光と闇の交戦 : グラクロ | Netmarble Corporation |
| 44 | +2 | モンスターハンターNow | Niantic, Inc. |
| 45 | 圏外 | 777Real(777リアル) パチンコ・パチスロアプリ | Sammy Networks Co., Ltd. |
| 46 | +23 | ロイヤルキングダム (Royal Kingdom) | Dream Games |
| 47 | 圏外 | ゼンレスゾーンゼロ | COGNOSPHERE PTE. LTD. |
| 48 | -14 | 信長の野望 真戦 | Qookka Games |
| 49 | +3 | 恋と深空 | INFOLD PTE. LTD. |
| 50 | +14 | フィッシュダム(Fishdom) | Playrix |
ピックアップタイトル
※先週比+10以上タイトルおよび、TOP10タイトルのゲーム内イベント/プロモーションを中心に紹介
※TOP50圏外タイトルも、期間中にDailyランキング上位を記録したタイトルは参考情報として掲載
1位(±0):eFootball™
GW期間中ということもあり、Xでの告知は限定的だったが、ボックスガチャ「Big Time & Show Time: Standout Guardians 25-26 Season’s Best」により1位キープ。ピックアップとして、ブラジル代表アーセナル所属「ガブリエウ・マガリャンイス」、イタリア代表PSG所属「ジャンルイジ・ドンナルンマ」、モロッコ代表PSG所属「アクラフ・ハキミ」などが登場。
また、4月30日より開催されている『NARUTO』コラボ関連では、久保建英選手のサスケ関連スペシャルインタビューが公開されており、新規/既存ユーザー双方へと訴求されていた。
3位(+10):ラストウォー:サバイバル
新シーズン6「忘却の雨林」開催による大幅ランクアップ。今回のシーズンでは一部キャラへの新育成要素「英雄覚醒」や「レアリティ育成」を追加。ギルド関連(連盟スキル、陣営科学、陣営階級など)やランキングイベント「軍功記念堂」など、新シーズン開始による復帰・育成・競争需要が、ランクアップの要因になったと考えられる。
5位(-1):ドラゴンクエストスマッシュグロウ
『ドラゴンクエストI』イベント2章公開によりTOP5圏内をキープ。あわせて、強敵マッチ「あくまのきし」、マルチイベント「メルキド防衛戦」が展開され、安定した順位を維持している。
6位(+9):ブロスタ
新シーズン「スターパトロール」とイベント「スターノヴァ」開催によるランクアップ。イベント「スターノヴァ」は、試合中に「クリスタル」を拾うことで強化状態へ変身できるルールとなり、通常プレイとは異なるゲーム体験がユーザーの熱量を押し上げた。
また、特徴的だったのが、Xの「記事」機能を活用した情報発信である。イベント内容やルール、報酬情報をSNS内で完結して閲覧できる構成となっており、従来のお知らせページ遷移型とは異なる導線設計が見られた。
7位(+2):にゃんこ大戦争
「13と1/2周年記念イベント」後半施策により、TOP10圏内を維持。5月7日には記念ガチャ「ミラクル4セレクション」、5月8日には「第6話 襲い来る黒幕」「最終話 悪の終着点」ステージ、5月9日には記念フェス限定ガチャ「極選抜祭」と立て続けにイベントを開催。周年イベント全体で安定した熱量維持を図っていた。
9位(-3):モンスターストライク
開催中の『けいおん!』コラボに加え、「ミニゲーム施策」「ステップアップガチャ」によりTOP10圏内を維持。
5月9日からは新イベント「スワイプトレジャー」を開催。画面をスワイプしてアイテムを回収するミニゲーム形式となっており、オーブや強化素材などの報酬を獲得可能。攻略動画やSNS投稿との相性も良く、コミュニティ活性化に繋がった。
また、5月10日にはステップアップガチャ「3回引ける!限限限定アップガチャ」を開催。限定キャラ排出率が段階的に上昇する仕様により、既存ユーザーの継続課金を促した。
加えて、『けいおん!』コラボ期間中には、声優キャスト誕生日に関連した投稿も実施。作品・声優文化まで含めて接触頻度を高めつつ、コラボ終了間際のリマインドも兼ねることで、イベントの追い込みを訴求していた。
19位(+12):ONE PIECE バウンティラッシュ
「ルフィ誕生日」キャンペーンによるランクアップ。ピックアップガチャでは、新キャラ「業火拳銃 モンキー・D・ルフィ」が登場。
また本作では、前述『ブロスタ』同様にXの「記事」機能を採用。生放送内容やキャンペーン情報をSNS内で一覧化しており、情報量の多い大型施策を“外部サイトへ遷移させずに伝える”運営方針が見られた。
24位(+11):学園アイドルマスター
2周年記念直前キャンペーンによるランクアップ。5月9日からは「【初星フェス】【復刻】Campus mode!! セレクトピックアップガチャ」を開催。過去の限定Pアイドルを任意選択できる仕様となっており、復刻需要を効率的に満たす構成となっている。あわせて、「2ndアニバーサリー前夜祭パック」では、有償ジュエル購入によってセレクションチケットや10連チケットを提供。
周年前の復刻・セレクト施策によって、既存ユーザーのジュエル消費を促進しつつ、本番施策への期待感を高める設計が見られた。
38位(±0):ドラゴンボールZ ドッカンバトル
「悟飯・悟空・悟天の日キャンペーン」により順位を維持。フェス限定ガチャ「Wドッカンフェス」では、新キャラ「超サイヤ人ゴッド孫悟空」「ビルス」が登場。5月23日までの期間限定で30連で10連無料の優遇仕様も用意され、課金ハードルを下げる設計が見られた。
また、各記念日には特別ログインボーナスを配布。SNS上でもリプライを促すことで、コミュニティ活性化を訴求し、記念日をゲーム内外で盛り上げている。
加えて、Web Storeでの龍石セールも同時展開。ゲーム外課金導線を組み合わせることで、記念日の熱量を直接売上へ接続する構造となっていた。
47位(圏外):ゼンレスゾーンゼロ
最新アップデートVer.2.8「新・エリー都の落日」による大幅ランクアップ。ピックアップガチャでは、最高レアキャラ「プロメイア」、武器「フロスト・クレセント」が登場。あわせて、復刻では最高レアキャラ「リュシア」、武器「炉で歌い上げられる夢」も登場し、ガチャ需要を押し上げた。
52位(+20):ONE PIECE トレジャークルーズ
12周年記念キャンペーンによるランクアップ。フェス限定ガチャ「超スゴフェス」では、「ルフィ」「シャンクス」「黒ひげ」「バギー」の“四皇”に加え、「イム」が初登場。
さらに、最大100連無料、虹の宝石配布、動画投稿キャンペーン、Web Store施策など、多面的な周年施策を同時展開。継続プレイヤーと復帰ユーザー双方を狙った構成となっていた。
特に注目されたのが、TVアニメ放送タイミングにあわせたイベント「トレクルラン」開催、SNS施策である。アニメ放送という“外部IPの熱量ピーク”にゲーム内イベントを重ねることで、認知・興味層への訴求を強めていた。
研究所メモ
今週のセルランでは、先週に引き続き「ゲーム外接点」を活用した施策が目立った。
一方、先週が「どのように熱量を形成するか」にフォーカスしていたのに対し、今週は「形成した熱量を、どのように冷まさず維持していくのか」という点が、より重要になってきているように見える。
特に今回は、
・外部IP・記念日を活用した熱量形成
・声優文化やリマインドを活用した接触頻度維持
・SNS内で完結させる告知設計
の3つが象徴的だった。
外部IP・記念日:コンテンツ熱量をゲームへ接続
『ONE PIECE トレジャークルーズ』では、12周年記念キャンペーン開催時にガチャイベント、ユーザー協力ミッション、SNSキャンペーンを実施。また、TVアニメ放送タイミングにはイベント「トレクルラン」に加え、CM放映、PV公開、SNSキャンペーンなどを展開。
従来の運営型タイトルでは、「ゲーム側の更新タイミング」を基準に施策が投入されやすい。一方、今回の『トレクル』では、“ゲーム内イベント更新” と “アニメ放送というIP側の熱量ピーク” を段階的に活用することで、継続的な接触機会を形成し、「IP熱量へゲームを接続する」構造が見られた。
『ドラゴンボールZ ドッカンバトル』でも、「悟飯・悟空・悟天の日キャンペーン」を展開。「悟空の日」にあわせて関連キャラクターのガチャや配布施策を展開することで、“キャラクターを祝う文化” そのものをゲーム内イベントとして定着させている。
記念日施策は、単なるログインボーナスでは終わらず、「好きなキャラクターを祝う」というコミュニティ文化そのものが課金・継続率へ影響する構造になっている。
リマインド+声優文化:ゲーム外要素で接触頻度維持
『モンスターストライク』では、『けいおん!』コラボ期間中に、声優キャストの誕生日にあわせた投稿を実施。
これはコラボイベント終了日のリマインドを兼ねており、直接的なガチャ施策ではないものの、“作品コミュニティとの接触頻度を維持する” 運営として興味深い。
近年のIPコラボでは、単なるゲーム内キャラ実装だけでなく、
・アニメ放送
・声優文化
・記念日
・SNSトレンド
など、“ゲーム外で発生する会話” をどれだけ取り込めるかが重要になっている。
SNS内完結告知:SNSで読ませ、離脱させない
今週もう一つ特徴的だったのが、告知手法そのものの変化である。
『ブロスタ』『ONE PIECE バウンティラッシュ』では、Xの「記事」機能を活用し、大量のイベント情報をSNS内で閲覧できる形式を採用していた。
従来のスマホゲーム運営では、「SNS → お知らせサイト → ゲーム」という導線が一般的だが、今回の施策では、「SNS内で読む → SNS内で反応する → SNS内で共有する」という、“SNS内完結型” の設計が強まっている。
両タイトルとも、イベント内容、ルール、報酬などをSNS内で完結して確認できるよう整理しており、「情報量が多い施策ほど外部サイトへ誘導する」という従来設計とは異なるアプローチが見られた。
タイトルによっては、お知らせサイトへの遷移に時間がかかったり、アプリ、ブラウザ間の移動がストレスを感じられることを考慮すると、デザイン面では簡素に見えたとしても、ストレスの少ない環境のほうがユーザーにとってはメリットとなるかもしれない。
まだ、採用しているタイトルは少数派だが、今後他社タイトルも採用していくのか注目していきたい。
今回見られた『モンスト』の「リマインド+声優文化」による接触頻度維持や、『ブロスタ』『バウンティ』で採用されたX「記事」機能のような離脱を抑える導線設計は、“ユーザーが継続的にストレスなく情報へ接触できる環境” として、今後さらに重要性を増していきそうだ。
現在のスマホゲーム市場では、ゲーム内施策だけでなく、
・IP
・SNS
・動画
・Web Store
・コミュニティ文化
など、“ゲーム外接点” を含めた設計が、継続率や売上を左右する時代になっている。
複数のメディア・コミュニティを横断する時代だからこそ、遷移ストレスや他メディアへの離脱による“熱量減衰”を抑えながら、どれだけスムーズに接触を維持できるかという設計思想が、今後さらに重要になっていきそうだ。