2026年6月第1週 App Storeランキング|『DQウォーク』『DQタクト』で見る「ドラクエの日」の価値

Weeklyセルラン

2026年6月第1週のApp Storeセールスランキングでは、『ドラゴンクエストウォーク』『ドラゴンクエストタクト』による「ドラクエの日」施策が目立ったほか、『eFootball™』欧州サッカーシーズン連動施策『Pokémon GO』リアルイベント『Pokémon GO Fest 2026:東京』など、ゲーム外の話題や記念日を活用した動きが見られた。

なかでも注目したいのは、「ドラクエの日」を起点として、同一IPの複数タイトルが同時に売上を伸ばしていた点である。ゲーム固有の周年施策とは異なり、IP全体で共有する記念日を活用することで、シリーズ横断で話題と売上を創出する動きが見られた。

本記事では、各タイトルの施策を整理しながら、『ドラゴンクエスト』シリーズを事例に、「IPが持つ記念日」がどのように商戦期として機能するのか、その価値と可能性について考察していく。

今週のセルラン 3行まとめ

『DQウォーク』『DQタクト』「ドラクエの日」施策により揃って大幅ランクアップ
・当日に勝負する『ウォーク』、イベント前から盛り上げる『タクト』と異なるアプローチが見られた
・「ドラクエの日」はシリーズ横断で売上を創出する“IP共通の商戦期”として機能している

今週のランキングTOP50

※データ元:App Store セールスランキング
※集計期間:2026年5月26日(火)〜6月1日(月)
※前日売上を反映しており実質、5月25日(月)〜5月31日(日)

Rank 前週比 Title Publisher
1+1eFootball™KONAMI
2-1ホワイトアウト・サバイバルCentury Games Pte. Ltd.
3±0ラストウォー:サバイバルFUNFLY PTE. LTD.
4+1モンスターストライクXFLAG, Inc.
5+22Pokémon GONiantic, Inc.
6+6ONE PIECE バウンティラッシュ – アクションゲームBandai Namco Entertainment Inc.
7-1ゴシップハーバー:マージ & ストーリーMicrofun Limited
8+10Pokémon TCG PocketThe Pokemon Company
9+1プロ野球スピリッツAKONAMI
10-6学園アイドルマスターBandai Namco Entertainment Inc.
11+59ドラゴンボール レジェンズBandai Namco Entertainment Inc.
12-4キングショットCentury Games Pte. Ltd.
13-6ロイヤルマッチ(Royal Match)Dream Games
14-1LINE:ディズニー ツムツムLINE Corporation
15-4パズル&サバイバルBUILDING-BLOCKS NETWORK TECHNOLOGY CO.,LIMITED
16+32ドラゴンクエストウォーク 歩く楽しみが増える位置情報ゲームSQUARE ENIX
17+26七つの大罪 光と闇の交戦 : グラクロNetmarble Corporation
18-4ドラゴンクエストスマッシュグロウ ドラクエローグライトRPGSQUARE ENIX
19-10トゥーンブラストPeak Games
20-5パズル&ドラゴンズGungHo Online Entertainment, Inc.
21±0崩壊:スターレイルCOGNOSPHERE PTE. LTD.
22-3ウマ娘 プリティーダービーCygames, Inc.
23+15呪術廻戦 ファントムパレードSumzap Inc.
24+37#コンパス【戦闘摂理解析システム】NHN PlayArt 株式会社
25-5ONE PIECE トレジャークルーズBandai Namco Entertainment Inc.
26+7Fate/Grand OrderAniplex Inc.
27+7あんさんぶるスターズ!!MusicHappy Elements K.K
28-12ブロスタSupercell
29-4ガーデンスケイプ (Gardenscapes)Playrix
30-4LINE ポコポコ:3マッチパズルゲームLINE Corporation
31-2勝利の女神:NIKKELevel Infinite
32-10荒野行動-スマホ版バトロワNetEase Games
33-3Disney Solitaire ディズニー ソリティアSuperPlay
34-3ラストZ:サバイバルシューティングOmnilojo Pte Ltd
35-18信長の野望 真戦Qookka Games
36+30Pokémon SleepThe Pokemon Company
37-5グルメ・ジャーニーCentury Games Pte. Ltd.
38-15にゃんこ大戦争ponos corporation
39+69デュエル・マスターズ プレイスTOMY Company,Ltd.
40+37ドラゴンクエストタクト ドラクエのタクティクスRPGSQUARE ENIX
41-4メメントモリBank of Innovation, Inc
42-6タウンシップ (Township)Playrix
43-8ホームスケイプ (Homescapes)Playrix
44-4キングダム 覇道Bandai Namco Entertainment Inc.
45-17原神~空月の歌~COGNOSPHERE PTE. LTD.
46+17Shadowverse: Worlds BeyondCygames, Inc.
47-5SDガンダム ジージェネレーション エターナルBandai Namco Entertainment Inc.
48-24鳴潮 – 2周年KURO GAMES
49圏外DISSIDIA DUELLUM FINAL FANTASYSQUARE ENIX
50-4ロイヤルキングダム (Royal Kingdom)Dream Games

ピックアップタイトル

※前週比+10以上および、TOP10タイトルのゲーム内イベント/プロモーションを中心に紹介

1位(+1):eFootball™

5月下旬から6月初旬にかけて、最新アップデートVer.5.5.0複数のガチャによるランクアップ。

5月28日には「English League Season’s Best」ガチャを開催。プレミアリーグで活躍した選手がラインナップされ、優勝したアーセナルから「デクラン・ライス」、2位のマンチェスター・シティからは「アーリング・ハーランド」、5位のリヴァプールから「ウーゴ・エキティケ」などが登場。

続く5月30日には、マンチェスター・ユナイテッドからインテル・マイアミへと移籍が報じされている「カゼミーロ」が登場する48時間限定の「Show Time」ガチャを実施。短期間限定の販売とすることで、ユーザーの即時的な意思決定を促す施策となった。

さらに6月1日には、5月30日に決勝が行われたばかりの「UEFAチャンピオンズリーグ」をテーマとした「European Club Championship Season’s Best」を開催。優勝したパリ・サンジェルマンから「クヴァラツヘリア」「ヴィティーニャ」、準優勝のアーセナルから「ダビド・ラヤ」などが登場。

欧州サッカーシーズン終盤の話題をゲーム内施策へ取り込み、高順位を維持した。

5位(+22):Pokémon GO

東京臨海副都心(台場・青海地区)を中心に、街中ゲームプレイを組み合わせた大規模リアルイベント「Pokémon GO Fest 2026:東京」によるランクアップ。

有償チケット購入者には、「メガミュウツーX/Y」の先行登場や、幻のポケモン「ゼラオラ」と出会えるスペシャルリサーチを実施。

また、公式パートナーとの連携観光要素も組み合わせることで、ゲーム内外を横断した体験型イベントとして展開。国内外から多くのトレーナーを集める大型リアル施策となった。

8位(+10):Pokémon TCG Pocket

新テーマ拡張パック「進撃パラドックス」リリースによるランクアップ。『ポケットモンスター スカーレット・バイオレット』に登場した「コライドン」「ミライドン」をはじめ、「古代」「未来」のサブカテゴリーを持つパラドックスポケモンが初登場。

また、リリース日の19:00には、ポケモン公式YouTubeチャンネルにて特別番組を配信。タレント「ゴー☆ジャスさん・スギちゃんさん」による「古代」チームと、VTuber「笹木咲さん・夜見れなさん」による「未来」チームに分かれ、パック開封や対戦企画を通じて新カードの魅力を紹介した。

新パック実装と同日に情報番組を展開することで、新テーマ拡張パックの話題を拡散する構成となっていた。

11位(+59):ドラゴンボール レジェンズ

8周年記念キャンペーンによるランクアップ。前日に配信された周年特番で新キャラクター情報が公開され、2018年公開の劇場版『ドラゴンボール超 ブロリー』から、ULTRA「超サイヤ人ゴッドSS ゴジータ」と、LEGENDS LIMITED「ブロリー:怒り」が実装。

あわせて、ログインボーナス、ガチャチケット配布、シリアルコード配布、Webショップセールなども展開され、ゲーム外の購入導線を含めて課金機会を広げる施策が見られた。

16位(+32):ドラゴンクエストウォーク

5月27日「ドラクエの日」にあわせた「DQ40周年記念イベント」『ドラゴンクエストXI』コラボによるランクアップ。

DQ40周年記念ガチャが開催され、新武器「勇者のつるぎ」が登場。あわせて、歴代ナンバリング作品の装備が登場するDQ40周年メモリアル復刻ガチャも開催。さらに、フレンド招待ピックアップガチャも開催され、「ドラクエの日」を起点に大型商戦期として活用する動きが見られた。

24位(+37):#コンパス【戦闘摂理解析システム】

新キャラクター実装『とあるシリーズ』復刻コラボによるランクアップ。ピックアップガチャでは、新キャラクター「シャルル・リヒター」が登場。あわせて、ヒーローチケットなどが獲得できるログインボーナスや、全プレイヤーへのエナジー配布も実施されている。

さらに5月28日からは、『とある魔術の禁書目録Ⅲ』『とある科学の超電磁砲T』とのコラボイベントが復刻開催。人気IPとのコラボ施策が重なったこともランクアップを後押しした。

プロモーションでは、「街キャラバン2026」の開催発表や10周年記念アートブックの予約開始、ホテルコラボなども展開。ゲーム内イベントとリアル施策を組み合わせた多面的なプロモーションが行われている。

39位(+69):デュエル・マスターズ プレイス

第36弾カードパック『極罠と聖剣 -DANGEROUS EXTRAP!!-』によるランクアップ。新カードの追加に加え、SRチケット付きセットや特別ログインボーナスなどを展開し、新環境への移行を後押しした。

また、同日にはTVアニメ『葬送のフリーレン』とのコラボイベントも開催。「フリーレン」「フェルン」「シュタルク」などがコラボスキンとして登場したほか、専用ストーリーや「レジェンドバトル」などの限定コンテンツも実装された。

新カードパックによる競技環境の刷新と、人気アニメIPとのコラボを同時展開することで、既存ユーザーと復帰ユーザーの双方へと訴求できたことが大幅なランクアップへとつながった。

40位(+37):ドラゴンクエストタクト

5月27日「ドラクエの日」にあわせた「ドラゴンクエスト40周年」&「ドラクエの日」キャンペーンによるランクアップ。

5月24日からは「ドラゴンクエスト40周年キャンペーン」として、最大400連無料ガチャや「結果が先にわかるS5体確定一撃50連ガチャ」、記念SPスカウトなどを展開。また、新キャラクター「地獄の帝王エスターク」の事前告知も行われ、「ドラクエの日」に向けた期待感を高めた。

5月27日には「ドラクエの日」キャンペーンとして、「地獄の帝王エスターク」ピックアップガチャを開催。あわせて、記念プレゼントや特別セット販売、極覚醒応援ミッションなども同時展開され、課金を訴求する施策が展開された。

これらキャンペーンは、継続プレイの促進と課金需要の創出を段階的に行う施策構成となっていた。

49位(圏外):DISSIDIA DUELLUM FINAL FANTASY

『ファイナルファンタジーVII』の人気キャラクター「セフィロス」実装によるランクアップ。「セフィロス」ピックアップガチャ「専用アビリティ」ガチャに加え、新ランク「アルテマ」の追加や各種バランス調整、フレンド招待機能の強化など、大規模アップデートも実施された。

注目点は、URアビリティ「スーパーノヴァ」のイラストに、『サガ』シリーズのキャラクターデザイナーとして知られる小林智美氏を起用した点だ。

人気キャラクター実装に加え、周辺IPファン層へ訴求する手法として、複数IPを持つゲームメーカーにとって参考になりそうな事例となった。

研究所メモ

「ドラクエの日」が示したIP記念日の価値

今週は『ドラゴンクエストウォーク』『ドラゴンクエストタクト』が揃って大幅ランクアップした。両タイトルに共通していたのが、5月27日の「ドラクエの日」を軸とした大型施策である。

一般的なスマホゲームでは、
・周年
・ハーフアニバーサリー
・年始

などが売上の山になりやすい。

一方、ドラゴンクエストシリーズはそれらに加え、「ドラクエの日」というIP共通の記念日を持っており、これはゲーム単体の周年とは異なり、シリーズ全体のファンが共有する記念日である点が特徴だ。

今回の『DQウォーク』では、ドラクエ40周年『ドラゴンクエストXI』コラボを組み合わせ、新武器「勇者のつるぎ」をドラクエの日当日に投入。さらに、歴代シリーズ装備の復刻ガチャやフレンド招待施策なども展開し、当日に話題と売上を集中させる構成が取られていた。

一方の『DQタクト』では、数日前から400連無料ガチャや各種キャンペーンを開始。さらに「地獄の帝王エスターク」の実装予告を行うことで、ドラクエの日に向けた期待感を段階的に形成していた。

同じIP資産を活用しながらも、
・当日に大型施策を集中投入する『DQウォーク』
・事前施策で期待感を積み上げる『DQタクト』

という異なるアプローチが見られた点は興味深い。

施策の構成はそれぞれ異なるものの、両タイトルとも大幅なランクアップを記録しており、この結果から「ドラクエの日」自体がシリーズ横断で売上を創出する“IP共通の商戦期”として機能していることがうかがえる。

長期運営タイトルが増える中、ゲーム固有の周年だけでなく、IP共通の記念日をどのように活用するか。今後は、こうした「IPが持つ記念日そのもの」が、ゲーム運営における重要な施策資産になっていくだろう。

さらに視点を広げると、こうした施策資産の有無は、そのIP自体の強さを測る指標にもなり得る。なぜなら、「記念日」そのものが毎年ユーザーとの接点となり、継続的に話題や売上を生み出す起点として機能するためだ。

そのため、IPとのコラボやライセンス活用を検討する際にも、「どれだけ知名度があるか」だけでなく、「商戦期として機能する記念日を持っているか」という視点も重要な評価軸の一つになっていくかもしれない。

「記念日」は単なるファンサービスではなく、売上創出やユーザー接点形成を担う重要な施策として、今後さらに活用の幅を広げていきそうだ。

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