2026年10月第2週(10月6日〜12日)のApp Storeセールスランキングを振り返る。
週平均の首位は『eFootball™(イーフト)』が奪還した。日別では『イーフト』が7日間のうち4日で首位に立ち、10/8は『ホロライブドリームス(ホロドリ)』が新水着ガチャ、週末の10/11・12は『モンスターストライク(モンスト)』が「激・獣神祭」と「13周年轟絶感謝マルチガチャ」で首位を獲得している。新作では『マビノギモバイル』が週間13位で初登場した。
Dailyで追った観測とともに、1週間の動きを振り返る。
今週のランキングTOP50
※データ元:App Store セールスランキング
※集計期間:2026年10月6日(火)〜10月12日(月)
※前日売上を反映しており実質、10月5日(月)〜10月11日(日)
※「最高順位」は期間中の日別順位で最も高かった順位
| 順位 | 先週比 | タイトル | 最高順位 |
|---|---|---|---|
| 1 | +1 | 1位 | |
| 2 | +1 | 1位 | |
| 3 | -2 | 3位 | |
| 4 | +2 | 5位 | |
| 5 | +6 | 4位 | |
| 6 | +2 | 1位 | |
| 7 | +5 | 5位 | |
| 8 | -1 | 2位 | |
| 9 | +7 | 6位 | |
| 10 | +5 | 8位 | |
| 11 | -7 | 4位 | |
| 12 | +7 | 9位 | |
| 13 | NEW | 11位 | |
| 14 | +11 | 12位 | |
| 15 | +6 | 13位 | |
| 16 | -3 | 14位 | |
| 17 | +40 | 3位 | |
| 18 | +10 | 9位 | |
| 19 | -9 | 17位 | |
| 20 | +4 | 7位 | |
| 21 | -16 | 21位 | |
| 22 | +4 | 22位 | |
| 23 | +4 | 20位 | |
| 24 | -2 | 20位 | |
| 25 | -11 | 8位 | |
| 26 | +12 | 27位 | |
| 27 | -10 | 9位 | |
| 28 | +6 | 25位 | |
| 29 | +62 | 6位 | |
| 30 | +16 | 29位 | |
| 31 | +9 | 26位 | |
| 32 | -14 | 31位 | |
| 33 | +16 | 33位 | |
| 34 | -1 | 15位 | |
| 35 | ±0 | 7位 | |
| 36 | +1 | 27位 | |
| 37 | -28 | 23位 | |
| 38 | +6 | 27位 | |
| 39 | +25 | 21位 | |
| 40 | -4 | 19位 | |
| 41 | +57 | 9位 | |
| 42 | -11 | 13位 | |
| 43 | +5 | 29位 | |
| 44 | -2 | 29位 | |
| 45 | -13 | 32位 | |
| 46 | -3 | 8位 | |
| 47 | +9 | 24位 | |
| 48 | -19 | 42位 | |
| 49 | +6 | 35位 | |
| 50 | +1 | 2位 |
今週のセルランまとめ
今週は週平均の首位が『ドッカン』から『イーフト』へ戻り、日別では『イーフト』『ホロドリ』『モンスト』の3タイトルが首位に立った。まずは数値で振り返る。
※上のグラフは「日別順位」の推移です。本記事の概況の数値や「今週のランキングTOP50」は週間(前週比・週平均)で集計しており、数値が異なる場合があります。
データ:当研究所調べ/App Store セールスランキング
週平均の首位は『イーフト』(1位/前週比+1)。以下、2位『モンスト』(+1)、3位『ドラゴンボールZ ドッカンバトル(ドッカン)』(-2)と、上位3タイトルの顔ぶれは前週と変わらず、順番だけが入れ替わった。
日別で見ると、10/6・7は『イーフト』が首位を守り、10/8は『ホロドリ』が10/7開始の新水着ガチャ「橋を架けるオーシャンクリエイト」で首位に。10/9・10は『イーフト』が10/8配信の最新アプデVer.6.1.0と新BOXガチャで再び首位に立ち、10/11・12は『モンスト』が10/10 12時に始まった「激・獣神祭」と「13周年轟絶感謝マルチガチャ」で2日連続の首位となった。(※日別順位は前日の売上を反映するため、施策の開始日と1日ずれる)
大幅上昇では『ディズニー ツイステッドワンダーランド(ツイステ)』(29位/+62)が10/5開始のハロウィンイベント「シュガー・レース」、『遊戯王 マスターデュエル(マスターデュエル)』(41位/+57)が10/6追加の新セレクションパック「アライズ・オブ・アポカリプス」、『Fate/Grand Order(FGO)』(17位/+40)が10/7開始の「冠位名代戦」準備応援キャンペーンで順位を上げた。新作では、10/7にサービスを開始した『マビノギモバイル』が13位で初登場している。
詳しい順位の動きは前述の「TOP50ランキング」を参照してほしい。
今週の研究所メモ
このコーナーでは、毎日Xで投稿しているコラム「研究所メモ」から、今週、特に読み返す価値のあったものを選んで掲載しています。今週は5つのトピックを選び、改めて掘り下げました。
キャラの”要素”を日常へ持ち出す ─ 『ツイステ』ハロウィンイベントのグッズ展開(10/6)
『ツイステ』は10/5から、ハロウィンイベント「シュガー・レース ~おかしな世界と歪んだ王冠~」を開催。同じ日の夕方には、アニプレックスオンラインでイベントや衣装をモチーフにしたグッズ全9商品の受注も始まった。
中でも面白いのが、今回初登場した新キャラ「ヌガー」の衣装をモチーフにした商品だ。ゲーム内でヌガーが着ている衣装を「レーシングジャケット」と、衣装に付いたワッペンデザインの「オーロラアクリルヘアクリップ」を商品化している。
キャラクターをアクスタや缶バッジにするだけでなく、キャラクターが身につけている「要素」を取り出し、ユーザー自身が身につけられる形にしている点がポイントだ。「キャラクターを見る」から「キャラクターの要素を自分にも取り入れる」へ。ゲームでの体験を、現実へ持ち出す設計ともいえる。
特にヘアクリップのような小物は、日常生活にも取り入れやすい。ゲームを遊んでいない時間でも、身につけたものをきっかけにキャラクターを思い出し、それが再びゲームを開くきっかけになる。「ゲーム → 現実で要素を身につける → ゲームを想起 → 再びゲームへ」というサイクルとなる。
『ツイステ』は同じイベントにあわせて交通広告も展開しており、グッズと広告の両面から「遊んでいない時間」の接点を作っている。ゲームが日常生活のどこまで入り込めるのか、という視点でも参考になる事例だ。
「完成したコンテンツ」から「コンテンツが生まれる仕組み」へ ─ AIノベル『ThreadTale : コトノハ』(10/7)
10/6、DeNAの新規事業を担う子会社「BAKERU」から、AI技術を活用した対話型ノベルゲーム『ThreadTale : コトノハ』がリリースされた。プレイヤー自身が物語の登場人物となってキャラクターに自由に文章を入力すると、AIが演じるキャラクターの会話がその場で生成され、物語の展開が変わっていく。ミステリーや恋愛、異世界ファンタジーなど複数のジャンルを、1話10〜30分の短編で遊べるノベルゲームとなる。
これまでゲーム業界でのAI活用は、開発や運営を効率化する「裏方」としての使い方が目立っていた。一方、本作はAIそのものをゲームシステムに組み込み、「AIだからできる遊び」を作っている。この仕組みが進化すれば、運営が完成したコンテンツを一つずつ届けるのではなく、「世界観やルールを作り、その中でユーザーごとにコンテンツが生まれる」運営も考えられる。
ただ、実際に序盤を遊んでみると、毎回「何を話すか」を考えて入力するのは思いのほか負荷が高い。会話を自動で作る「サジェスト」機能を使えば楽になるが、それでは自由入力の魅力が薄れてしまう。普段は選択肢で進め、「裁判」や「交渉」など重要な場面だけ自由入力にするなど、「どこを自由にするか」というメリハリの設計が必要になりそうだ。
もう一つ気になるのが、ユーザー同士の「共通体験」。
物語がユーザーごとに個別化するほど、「あのシーン良かったよね」という共通の話題は生まれにくくなる。これまでゲームは「共通体験 → SNSで共有 → 他のユーザーへ認知」という流れで広がってきた。体験そのものが個別化すれば、マーケティングの方法も変わっていくのかもしれない。
ゲームシステムへのAI活用は、まだ始まったばかり。「完成したコンテンツを作る」から「コンテンツが生まれる仕組みを作る」へ、ゲームの作り方そのものが変わる一つの転換点になる可能性もある。
すべてを0から作らない ─ 『マビモバ』の「レベルアップボーナスカード」(10/8)
10/7、ネクソンのMMORPG『マビノギモバイル』の日本版が正式サービスを開始し、週間ランキングでも13位で初登場した。PC版『マビノギ』の世界観を受け継ぎ、戦闘だけでなく採集や釣り、料理、楽器演奏、マイホームなどの生活要素も楽しめる。スマホとPCのクロスプレイにも対応している。
その中で面白いのが「レベルアップボーナスカード」。レベルが上がるたびに提示されるカードから1枚を選び、ステータスを強化していく仕組みで、5レベルごとには移動速度アップなどの特殊なカードも登場する。ローグライクなどでおなじみの「成長するたびに選ぶ」仕組みを、MMORPGのキャラクター育成に組み合わせている。
ここから考えたいのが、「新しいゲーム=すべてを0から発明する必要はない」ということ。
たとえば『Vampire Survivors』で注目された「サバイバー系」の仕組みは、その後さまざまなタイトルに広がった。さらに遡れば、「バトルロイヤル」というルールも多くのゲームに取り入れられ、それぞれのゲーム性と組み合わされてきた。
新しい遊びを0から作るだけでなく、「既存ジャンル」×「別ジャンルで定着した仕組み」という組み合わせでも、遊びに新鮮さは生み出せる。特に長く続いてきたジャンルほど「このジャンルならこう遊ぶ」という型があり、そこに別ジャンルの仕組みを持ち込む余地はまだありそうだ。
近年は落ち着いていたスマホMMORPGというジャンルに、『マビノギモバイル』がどんな変化を生むのか。セルランの推移とあわせて注目したい。
IPで集めた後、何で続けてもらうか ─ 『ホロじゃん』(10/10)
10/9、カバーとAimingが手がける『ホロライブ麻雀 -ホロじゃん-』が発表された。ホロライブ所属タレント37名が参加する、ホロライブ初の麻雀ゲームで、2026年内にスマホ・PC・ブラウザ向けに配信予定。麻雀初心者向けの「初心者アシスト機能」やタレントの録り下ろしボイスを備え、事前登録も同日から始まっている。
ここで考えたいのが、「ホロライブファン以外への広がり」。
先行する『雀魂』は、オリジナルのキャラクターを軸に、アニメ・漫画とのコラボ大会やプロ雀士との対局、リアルイベントなどを通じて幅広いユーザーとの接点を作ってきた。一方『ホロじゃん』は、ホロライブという強力なIPによって、ファンを中心とした初期の集客が期待できる。
ただ、気になるのが「すでに麻雀ゲームを遊んでいるユーザーが移る理由」だ。逆の流れも考えられる。初心者アシストをきっかけに麻雀を覚えたホロライブファンが、麻雀そのものの面白さに目覚め、『雀魂』などに移っていく可能性もある。IPで集客できても、続けて遊んでもらえるとは限らない。
比較したいのが、同じホロライブIPの『ホロドリ』。リズムゲームは、『プロセカ』や『バンドリ!』のように「ゲーム → オリジナル楽曲 → CD・ライブ → 新しいファン → ゲーム」という循環を作りやすく、ホロライブファン以外へ接点を広げる道筋が見えやすい(※先行事例を踏まえた仮説)。
一方の麻雀は、対局配信やリアル大会、プロ雀士との連携など、『雀魂』がすでに展開している施策と重なりやすい。
長くユーザー層を広げていくには、「なぜ『雀魂』ではなく『ホロじゃん』で遊ぶのか?」という理由が欠かせない。ホロライブIPならではの付加価値やゲーム外との循環をどう生み出し、獲得から定着へつなげるのか、今後の展開に注目したい。
興味ごとに”入口”を分ける ─ 『モンスト』のターゲット別プロモーション(10/11)
『モンスト』は10/10、声優の梶裕貴さん(「メビウス」役)と若手声優3名が4人でマルチプレイをするYouTube動画「梶裕貴と絆を深めろ!若手声優と4人でモンストしてみた」を公開した。
最初は緊張していた後輩たちが、マルチプレイを通じて少しずつ打ち解けていく様子が見どころで、同日に始まった「13周年轟絶感謝マルチガチャ」にも挑戦している。
ゲームの魅力を直接紹介するだけでなく、声優同士の交流そのものをコンテンツにすることで、出演声優のファンにも興味を持ってもらうきっかけを作っている。
一方で『モンスト』は、新限定キャラ「エボニー&アイボリー」の登場時にイラストや漫画を公開するなど、キャラのビジュアルや関係性から興味を持ってもらうプロモーションも展開してきた。
さらに今週は、マルチガチャにあわせて「オラゴン」と一緒にガチャを引く着ぐるみキャラを募集する企画も実施。「どんちゃん」「仕事猫」「ドンペン」が参加し、他社キャラクターのファンにも話題が届く形になっていた。
整理すると、同じ『モンスト』でも入口はこれだけ異なる。
- 声優ファンには、出演者同士の交流
- キャラファンには、イラストや漫画
- 他社キャラのファンには、着ぐるみのコラボ企画
- ゲームファンには、ガチャや攻略情報
すべてのユーザーに同じ情報を届けるのではなく、興味に合わせて異なるコンテンツを用意している。
市場が成熟し、新規ユーザーの獲得が難しくなる中で、「誰に、何をきっかけに、ゲームへ興味を持ってもらうのか」。新規・既存を問わず、興味や関心ごとに入口を用意することが、これまで以上に重要になっていくのではないだろうか。